プッシュ型営業とプル型営業ってどういう意味?
プッシュ型営業とプル型営業はそれぞれどのような特徴・強みがあるの?
本記事をご覧になっているあなたは、プッシュ型営業とプル型営業の特徴を活かし、効率的な営業をしたいと考えているのではないでしょうか。
結論、プッシュ型営業は積極的に営業をかけていく方法で、プル型営業はお客様からのアクションを待つ営業方法です。
詳しい説明をすぐに知りたい方は「プッシュ型営業とプル型営業の違いはスタイル」をご覧ください。
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プッシュ型営業とプル型営業の違いはスタイル
プッシュ型営業とプル型営業の違いは、以下の表のとおりです。
スタイル | 営業のタイミング | 営業できる範囲 | 効果が出るまでの時間 | 主な媒体 | |
---|---|---|---|---|---|
プッシュ型営業 | 攻める営業 | 自社で決められる | 1:1 | 短い | ・電話 ・DM ・メール営業 |
プル型営業 | 待つ営業 | 自社で決められない (顧客が決める) | 1:n (制限なし) | 長い | ・SNS ・メルマガ ・オウンドメディア ・オンラインセミナー |
プッシュ型とプル型の特徴をうまく活かせば、営業の効果をグッと押し上げられます。
プッシュ型営業
プッシュ型営業とは、積極的に潜在顧客に営業をかける手法のことです。
「アウトバウンド営業」ともよばれ、企業側のタイミングでユーザーに対して情報を伝える営業手法です。おもな手法として以下の4つが挙げられます。
- 電話営業
- 訪問営業
- メール営業
- 郵送DM
インターネットが普及する前から使われてきた多くの営業方法は、プッシュ型に含まれます。電話や訪問など1件ずつ対応しなければならず、時間と労力を要するので、確度の高い顧客に焦点を当てて行うのが一般的です。
メールを使った営業に関心がある場合は、以下の記事もご覧ください。
プル型営業
プル型営業とは、お客様から自社に問い合わせをするように仕掛ける営業手法のことです。
「インバウンド営業」とも言われ、ユーザーが自ら能動的に情報を取りに行く営業手法を指します。おもなプル型営業の手法は、以下のとおりです。
- Webサイトでの問い合わせ
- SNSを経由した問い合わせ
- リスティング広告
プル型営業はインターネットの普及に伴い、近年伸びてきた営業手法です。
顧客側が問い合わせや資料のダウンロードを行って得た情報をもとに、営業をかけます。プル型営業で得る情報には会社名や担当者名だけでなく、興味の度合いも含まれます。
潜在的なニーズを引き出して購入行動を促進し、最終的なコンバージョンにつなげるのが目的です。
プッシュ型営業・プル型営業それぞれの手法
プル型営業・プッシュ型営業、それぞれの具体的な営業手法を解説します。
それぞれの手法を押さえて、適切なものを活用してください。
プッシュ型営業の具体的な手法
プッシュ型営業には、以下のような手法があります。
- メール営業
- 電話営業
- 訪問営業
- キャッチセールス
- ダイレクトメール
上記はいずれも企業側のタイミングでユーザーへ営業をかけるスタイルです。
直接的に営業をかけられるので、顧客にニーズがあるかを聞きだせるうえに、その場で商談・受注に至るケースもあります。
とはいえ営業をかけられたときのユーザーの状況はさまざまです。ユーザーにメッセージを見てもらえなかったり、話を聞いてもらえなかったりする場合があるのが難点です。
プッシュ型営業は売り手が主導権を握る営業手法なので、知名度が低い商品やサービスでも積極的なアピールにより売れる可能性があります。
プル型営業の具体的な手法
プル型営業には、以下のような手法があります。
- メルマガ
- オウンドメディア
- 広告
- セミナー
- ウェビナー
プル型営業は、ユーザーが体感したいものを能動的に申し込んで情報を得るスタイルです。
たとえばオウンドメディアの場合、顧客にとって有益な情報を掲載したWebサイトを立ち上げて、来訪した顧客に自社サービスを訴求します。
一度Webサイトを構築してしまえば、低コストで運用できるケースもあります。しかしサイトに来訪してもらうための打ち手や、受注につなげる導線づくりを入念に行わなければなりません。
プル型営業は買い手が主導権を握る営業手法なので、商品やサービスを手に入れようとする買い手の行動が起点です。
プッシュ型営業の3つの強み
プッシュ型営業には以下のような強みがあります。
企業側が営業相手を選べる
プッシュ型営業の強みは、企業側が営業ターゲットをセグメントできる点です。プッシュ型営業なら、相手のリテラシーや理解度に応じて見せ方・訴求方法を変更できます。
反対にプル型営業では、同一の見せ方・訴求方法で情報が拡散されてしまうため、ターゲットに合わせた見せ方や訴求ができません。ターゲットに対して臨機応変に最適な対応方法が取れる点は、プッシュ型営業ならではの強みです。
スピード感のある営業ができる
プッシュ型営業なら、プル型営業に比べてスピード感のある営業ができます。
プッシュ型営業のメリットは、顧客からのアクションを待つことなく、自社の都合でどんどん営業を掛けられるところです。「今日50件のテレアポを行いたい」と思えば、会社のリソースまたは営業代行を利用してその日のうちにアプローチできます。
一方プル型営業のような「待ち」のスタイルの場合、いつリード獲得につながるかわかりません。WebサイトやSNSのようなプル型営業では、アクセス数が伸びるまでに時間がかかります。企業の予算や期日が合わない場合は、有効な手段とはいえません。
立ち上げ直後の事業など、とにかく早く確実に結果を出したいのであれば、プッシュ型営業のスタイルが向いています。
リードのコントロールがしやすい
プッシュ型営業は、リードのコントロールがしやすいです。
リードとは「見込み顧客」のことです。プッシュ型の場合「目標の商談数まで、あと何件営業すればよいか」など、営業活動の計画が立てられます。
「月の売上目標を達成するために、何件のリード・商談アプローチが必要か」といった必要工数を逆算して割り出し、目標達成の可能性を高められるのが利点です。
一方、広告やオウンドメディアといったプル型営業の場合、世の中の流行の変化やプラットフォームのアルゴリズム変更の影響を大きく受けてしまいます。そのためリードのコントロールがききません。
目標に対してどれだけのリードが必要かを把握するには、プッシュ型営業の受注率を目安にコントロールを行ったほうがよいといえます。
プル型営業の3つの強み
プル型営業には、以下のような強みがあります。
コンテンツを資産にできる
プル型営業は、コンテンツを資産にできる点が強みです。
オウンドメディアなどの情報はWeb上に残り続け、年月が経っても情報が欲しい人から検索され続けます。SEOで上位表示された記事やYouTube動画は、更新頻度が落ちても流入を獲得しつづけられるのがメリットです。
コンテンツが多ければ受注につながる可能性がストックされるので、オウンドメディアが「資産」となっていきます。
SNSで獲得したフォロワーも、資産の1つです。フォロワーが増えれば自社の投稿内容を目にするユーザーも増えるので、貴重な資産といえます。
効率的にマスにリーチできる
プル型営業の強みとして、マス(大衆)ユーザーに対して効果的にリーチできる点も挙げられます。
LINEやInstagramなどのSNSに出稿する広告は、ユーザーがSNS登録時に入力した個人情報や、その後の利用傾向などに応じた広告の配信が可能です。
いつでもユーザーが見ているタイムラインへ違和感なく広告を表示できるので、効果的かつ効率的にマスにリーチできます。
営業工数を減らせる
プル型営業は、お客様から自社に問い合わせをするスタイルのため、プッシュ型営業と比べて営業工数が減らせる点も強みの一つです。
自社の発信を見て興味を持ったお客様が自らの意思で問い合わせをしてくるため、工数は自ずと減ります。加えて顕在ニーズが高いお客様である場合が多いです。
そのためプッシュ型営業で営業をかけたお客様と比べて、成約率が高い傾向にあります。
また「コンテンツを資産にできる」の項で述べたように、コンテンツをストックすれば改めて営業をかけなくても収益が入るような仕組みの構築も可能です。
プル型営業は、プッシュ型営業のような会社側がニーズのあるお客様を探してアプローチを行う営業スタイルと比べて、営業工数が少なくて済みます。
プル型とプッシュ型の組み合わせで営業を効率化する3つのポイント
プル型とプッシュ型の組み合わせで営業を効率化するポイントは、以下の3つです。
2つの営業手法の強みを組み合わせた顧客アプローチができれば、営業活動が効率化され、より高い効果が望めます。
プル型営業でマスの認知を獲得する
まずはプル型営業で、マス向けに自社の商品やサービスの認知を広げます。
現代はインターネットが日常生活であたりまえに利用されるため、マスユーザーがブログやSNSでWeb広告を目にする機会が増えました。
総務省の令和4年度の調査によれば、YouTubeの利用率は87.1%と非常に高い数値を示しています。つまりユーザーがWeb広告を目にする機会が必然的に増えたと考えられます。
Web広告は、ユーザー属性や利用傾向をもとに個人の興味に関連する広告が自動的に表示されるため、顕在ニーズのあるユーザーに情報を伝える方法として効果的です。
予算や自社の経営状況に合わせて活用しましょう。
プル型営業でリストを増やす
プル型営業は、営業リストを増やす際にも役立ちます。よく使われるのは以下の手法です。
- セミナー
- ウェビナー
- メールマガジン
- 公式LINE
プル型営業を活用すれば、すぐに受注につながらなくても自社商品・サービスになんらかの興味があるユーザーの情報が得られます。
プル型営業は顕在ニーズのあるユーザーからのアクションが得やすい仕組み上、すぐに受注になるケースも多いです。しかし場合によっては「検討します」と保留なるケースもあります。
保留になった場合は顧客情報をリストとして蓄積し、その後の営業活動に活かしましょう。
リスト作成については、以下の記事も参考になるのでご参照ください。
リストに対してプッシュ型営業を行う
プル型営業で得た情報をもとにリストができたら、リストに対してプッシュ型営業を行います。
プル型営業はユーザーに対して同一の情報しか発信できないため、個別のユーザーに合った商品・サービスの魅力を十分に伝えられない点が弱点です。一方プッシュ型営業なら、プル型営業の弱点が補完できます。
リストのリードに対してメール配信によるナーチャリングや、ウェビナー企画からの直接商談を行えば、受注をいただくこともできるでしょう。
まとめ|プッシュ型営業とプル型営業の使い分けは効率的な営業に欠かせない
プッシュ型営業とプル型営業はどちらもメリットが異なるため、組み合わせて活用するのがおすすめです。具体的な活用方法は「プル型とプッシュ型の組み合わせで営業を効率化する3つのポイント」をご覧ください。
とはいえいずれの営業手法を行うにしても問題になるのは、社内リソースの不足です。「思うように人員が割けない」という悩みを抱える企業は少なくないはずです。
「Sales Platform」であれば、導入コストは正社員を雇用する費用の半分程度ですみ、自動化ツールも使えるため、効率的な営業が実現できます。
今なら期間限定で60,000件以上の企業リストと6,000件の電話営業を無料プレゼントしています。営業ツールやマンパワーが不足していると感じていたら、ぜひ導入をご検討ください。
またプッシュ型営業とプル型営業の手法をより具体的に知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
プッシュ型営業とプル型営業に関するよくある質問
Q. プッシュ型営業とプル型営業を簡単に言い換えてください
プッシュ型営業は「押しの営業」「自社主体の営業」プル型営業は「待ちの営業」「顧客主体の営業」とよばれます。
いずれも長短があるため、一方だけではなく両方を組み合わせて使うのがおすすめです。どちらがよいか判断するためには「プル型とプッシュ型の組み合わせで営業を効率化する3つのポイント」をご覧ください。
Q. プッシュ型営業の例を教えてください
プッシュ型営業でよく使われる手法は、以下のとおりです。
- 飛び込み営業(訪問営業)
- 電話営業(テレアポ)
- 郵送DM
- FAX
売り手が主導権を握る営業方法なので、知名度の低い商品やサービスを売る際に有効な手法といえます。プッシュ型営業のメリットは「プッシュ型営業の3つの強み」をご覧ください。
Q.プル型営業の例を教えてください
プル型営業でよく使われる手法は、以下のとおりです。
- SNS
- メルマガ
- オウンドメディア
- オンラインセミナー
買い手が主導を握る営業手法なので、訴求方法や受注までの動線を綿密に作り上げなければなりませんが、不特定多数にアピールする手段として有効です。
プル型営業のメリットは「プル型営業の3つの強み」からご確認いただけます。