「営業ができない」のはなぜ?注意すべきポイントや改善のコツを解説

階段に座り込んだ男性

営業は難しい仕事です。どんな仕事にも難しさはありますが、特に営業職には「大変な仕事」「厳しい世界」というイメージが強いのではないでしょうか。

売上という絶対的な評価があり、顧客に商品を売り込まなくてはならず、ときにクレーム対応にも追われる。実際に今営業職の人でも「自分は営業ができない」と悩んでいる人も多いでしょう。

しかし、営業が苦手な人でも考え方や方法を変えることで成果を上げられます。今回は営業ができないと悩んでいる人に知ってほしい、営業の改善のコツを解説します。

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目次

最初は営業ができないのも当たり前

後輩を慰めるビジネスマン

まず知ってほしいのは、始めたばかりの頃はうまく営業ができなくて当然ということです。

営業は生まれ持った対人スキルやトーク力で決まると考え、無意識のうちに諦めてしまっていませんか。営業で結果を出している人たちを見て「あの人は元から話が上手で人から好かれるタイプだから、自分とは違う」と決めつけてしまう人がいます。しかし日常生活のコミュニケーションと、物を売り込む「営業」は本来別のものです。

現在営業で活躍している人たちも、最初は営業初心者でした。そこからスタートして、営業に必要なマインドを新しく身に付け、日々現場で実践を積むなかで成長してきたのです。裏を返せば、他の仕事と同じく基礎をしっかり身に付ければ、誰でも一定のレベルに達することができるといえます。

営業ができない人は見直したいポイント5選

ポイントを説明するビジネスパーソン

次に営業ができないと考える人が実践すべき、具体的な改善点を紹介します。ものの見方から行動面まで、以下の5つのポイントを意識しましょう。

  1. 「数打つもの」という認識をする
  2. トークスクリプトを磨く
  3. お客様の課題に興味を持つ
  4. テストクロージングをしてからクロージングする
  5. 何分後にクロージングするか決めておく

それぞれ詳しく解説します。

1.「数打つもの」という認識をする

まずは断られるたびに落ち込んでしまうマインドを変えましょう。営業は「数打つもの」であり、一定数断られることは当たり前です。

どのような商品・サービスも、すべての人にとってベストであることを想定して作られてはいません。商品・サービスを生み出すときは特定のターゲットに狙いを定め、その人たちの利便性を最大限にすることを目指しています。

営業の仕事はいわば不特定多数のなかから、そのターゲットを探し出すことです。一部の層を探すための過程で、そこに当てはまらない人たちから断られることもあります。しかしそうやって多くの人にアプローチすることで、確実にターゲットに近づいているのです。

「この商品・サービスを必要としている人にだけ届けられればいい」という気持ちで、リラックスして取り組みましょう。

2.トークスクリプトを磨く

優れたトークスクリプトがあり、それを一字一句間違えずに言えるようになれば、どんな人でも一定レベルの営業が可能になります。まずは手元のトークスクリプトをブラッシュアップしてみましょう。

より成果を上げやすいトークスクリプトをつくるには、実際の商談で得た気づきを活かすことが大切です。例えば、どの顧客も特定の類似商品との比較を知りたがることに気づいたら、その商品と比べて自社の商品が優れているポイントを洗い出します。それをトークスクリプトに反映することで、顧客の納得をスムーズに引き出せるでしょう。

まだ場数が少なく有効な材料が見つからない場合は、先輩や上司の営業に同行させてもらうのもおすすめです。上手な切り返しやアピールの仕方から、真似ができそうなものは自身のトークスクリプトに反映していきましょう。

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3.お客様の課題に興味を持つ

営業を成功させるには、最初に相手の抱える課題を把握する必要があります。その有効な解決策として自社商品・サービスをアピールするトーク展開のほうが、相手の関心を惹きつけられるからです。

相手のニーズを無視した営業は、押し売りのような印象を与えてしまうことも。相手の悩みにしっかりと耳を傾けることで、役に立ちたいという誠実さが伝わるでしょう。

また自分自身の気持ちの持ち方としても、自社の商品・サービスがどのように相手の役に立つかという視点で営業したほうが、仕事にやりがいが感じられます。まずは純粋な気持ちで、相手がどのような課題を抱えているかに興味を持つようにしましょう。

4.テストクロージングをしてからクロージングする

商談を効率的に進めるコツは、途中でテストクロージングをかけることです。テストクロージングとは、話の途中で相手にどの程度購買意欲があるかを確認する作業のこと。「ここまでのご説明で、少しはご興味をお持ちいただけましたか?」など軽く尋ねて、相手の反応を見ましょう。

テストクロージングをかけると、ニーズがまったくない場合にはそこで話を切り上げることができます。すでに説明したように、優れた商品・サービスであってもすべての人や企業にニーズがあるとは限りません。お互いの時間を無駄にしないためにも、テストクロージングによって相手の意思を確認することが大切です。

またテストクロージングをかけると、相手が気になっている部分を探り出すこともできます。「性能は良さそうだけれど、値段が高すぎる」など相手の考えを引き出せれば、それに対する有効な切り返しもできるでしょう。テストクロージングのあとは相手の気になっているポイントに沿ったトークを展開できるので、より自信を持って話すことができます。

5.何分後にクロージングするか決めておく

商談は明確なクロージングで締めくくることが重要です。たとえその場で成約に至らなかったとしても、次のアポイントや資料の送付、セミナーへの参加など何らかのアクションの約束を取りつけなくてはなりません。

明確なクロージングをせずに商談を終えると、自分が話したいことだけを話して、相手を置いてきぼりにしている状態です。購入の意思をはっきり確かめることは怖いかもしれませんが、しっかりと確認しておかなくては成約に至りません。中途半端な状態では次回のアクションも起こしづらいでしょう。

おすすめは、商談開始から何分後にクロージングをするか、あらかじめ時間設定しておくことです。時間配分を考えることでトークスクリプトをブラッシュアップできますし、着地点を意識しながら話すと会話をリードしやすくなります。もちろん正確に決められた時間でクロージングに至らない場合もありますが、目安として設定しておくとよいでしょう。

営業できない人に多い、やってはいけないポイント

バツマークを出すビジネスパーソン

営業ができない人には、いくつかの共通点があります。常日頃の行動のなかで、以下の3つに当てはまるものはないでしょうか?

  • お客様のメリットを考えていない
  • 相手の話を聞くだけになる
  • 準備が不十分

それぞれ詳しく解説します。

お客様のメリットを考えていない

営業に臨むとき、相手のメリットを十分に考えられているでしょうか?相手のメリットを無視することで、2つの弊害が生まれます。

1つは相手の立場に立って考えないので、有効なトーク展開や営業戦略ができないことです。とにかく商品・サービスを買ってもらうことしか頭にないと、押し売りのような営業しかできません。相手の状況に応じたメリットを考え、それをわかりやすく伝えれば相手の興味の度合いも変わってくるでしょう。

そしてもう1つは、商品・サービスの購入が相手にとってもメリットになると理解していないと、自信を持って提案できないことです。心のどこかに「買ってもらって申し訳ない」という気持ちはないでしょうか?優れた商品・サービスの導入は、相手の業務を改善し、より大きな利益に繋がります。営業するのは相手のためでもあるという気持ちで、堂々と提案しましょう。

相手の話を聞くだけになる

営業が苦手な人は、せっかく相手と話す機会が持てても十分に商品・サービスのアピールができずに終わってしまうことが多々あります。相手の話を聞くだけでは営業をしているとは言えないのです。

企業の方針によっては「営業はお客様の話を聞くことが何よりも大切」と指導されているかもしれません。しかし、あくまでも相手に心を開いてもらったうえで確かなニーズを汲み取るためであって、そのうえでこちらの話もしっかりと理解してもらう必要があります。

ただ相手の話を聞くだけで終わっている人は、見込みの薄い相手に無駄な時間を使ってしまうことで、より受注確度の高い相手にアプローチするチャンスを失っているともいえます。いつも相手の話を聞き続けてしまう人は、思いきって話を切り上げるよう努力してみましょう。

準備が不十分

営業で成果が上がらない人は、準備不足のために、せっかく営業の機会が与えられても十分に活かせない傾向があります。

自社の商品・サービスの特徴や導入のメリットはもちろん、競合する他社の商品・サービスの性能や業界の相場などは、常に最新の情報をインプットしておきましょう。トーク展開に不安がある人は、トークスクリプトを作成して内容を頭に入れておくことも大切です。

コミュニケーション力が高いように見える営業パーソンは、これらの準備を万全にしているからこそ、自分のペースで商談をリードできるのです。相手からの質問や断り文句を想定し、それに対する答えや切り返しを用意しておけば、自信を持って話すことができます。まずはできる限りの準備をしてから商談に臨むよう心がけましょう。

営業できない人のよくある質問

悩んでいるビジネスパーソン

営業スキルに自信のない人がよくする質問があります。ここでは以下の3つの質問の例を紹介し、それにお答えしていきます。

  • 営業成績がいい人の特徴は?
  • 営業できない人の特徴は?
  • 営業初心者がやるべきことは?

営業成績がいい人の特徴は?

常に営業成績の上位にいる人たちは、合理的な営業戦略を立て、戦略に基づいたルールで自身の日々の行動を律しています。

ひと昔前は、多くの企業で営業を精神論で語る場面がよく見られました。もちろん目標数字への執着や向上心は大切ですが、仕事で常にベストな精神状態を保つことは容易ではありません。どのようなときにも結果を出すためには、日々計画どおりの行動を積み重ねることが大切です。

まず大口で安定した受注が見込めそうな層を絞り込み、ターゲットの業界を研究し、上手なヒアリングでニーズや購買プロセスを把握します。そうして得た情報に基づいてトークスクリプトを用意し、連絡を取るベストなタイミングを逃さないようにするのです。ある種システマチックにこれを繰り返すことで、安定した売上を確保できるようになるでしょう。

営業できない人の特徴は?

反対に成績が振るわない人の営業活動には、合理的な計画が欠けています。まず十分なターゲティングを行うことなく、アプローチしやすそうな相手に多くの時間を割きます。営業ができない人の営業行動は、計画ではなく感情に左右されるのです。さらに相手側の状況や組織体制、業界動向などを十分にリサーチしません。

そのため、商談は常に準備不足の状態で相手のニーズに沿った提案ができないので、クロージングをかけても断られるか、検討で止まってしまいます。そうして自身の営業スキルに自信を失い、さらに営業活動が感情に左右されるようになるのです。

営業初心者がやるべきことは?

営業成績や良い人と悪い人の特徴からもわかるように、営業初心者が心がけるべきことは、営業に臨むまえの万全の準備です。

まずは自社の商品・サービスの情報をしっかりとインプットし、どのような質問にも答えられるようにしておきましょう。最初のトークスクリプトは先輩と一緒に作成し、完成すれば何度もロールプレイングを重ねて、スムーズに話せるようにしておきます。また初めての商談の前には、相手側の情報を可能な限り収集しましょう。

もう一つ忘れてはいけないのは、営業成績の良い先輩や上司の営業に同行させてもらうことです。営業同行は新人の特権であり、自身の営業スタイルが固まる前に、お手本となる営業パーソンの行動やマインドを学んでおくのがおすすめです。

まとめ

思いついたビジネスパーソン

今回は「営業ができない」と悩む個々の営業パーソンのために、改善ポイントを解説しました。現代の営業はより効率を重視し、戦略的なアクションが必要です。そしてそれは、チーム全体の営業活動の改善にも共通します。

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