アポ取りは、顧客アプローチの第一関門です。まずアポイントを取らなくては、営業プロセスを先に進めることはできません。
しかし市場の競争が激化する現在、アポ取りはますます難易度が高くなっています。特に法人営業では、相手企業に「営業お断り」のマニュアルがあり、担当者と話しもできないケースは珍しくありません。そこで今回は、法人営業を成功させるためのコツを徹底解説します。
なお、アポイント獲得数を増やすためには、分母となるリストやアプローチ数の確保が大切です。リスト作成からメールなどのアプローチまで自動化できるツール「Sales Platform」は、現在60,000件以上の企業リストと6,000件の電話営業を無料プレゼントしています。ぜひ貴社の営業活動改善にお役立てください。
【前提】法人営業におけるアポ取りのコツ
従来のアポ取りは、精度よりも件数を重視する傾向にありました。1件のアポイントを取るために10件の電話、それでも取れなければ50件の電話をかければよいという考え方です。
しかし他社との競争が激化する現在では、アプローチの精度を上げる必要があります。アポ取りもうまくコツを掴めば、限られた時間で効率的に取り組めるでしょう。ここでは以下の2つのポイントを紹介します。
- 顧客が抱える悩みを理解する
- 顧客の悩みを解決する手法として自社商材を紹介
顧客が抱える悩みを理解する
まずは顧客が抱えている悩みを把握しましょう。顧客は自身と関係のない商品・サービスには興味がありません。興味がないものを勧めてくる営業パーソンの話を、忙しいなか時間を割いて聞きたいとは思わないでしょう。大切なのは、相手に寄り添って考えることです。
顧客の課題は、業界の情勢や経営の状況などから予測できる場合もあります。売上の低迷や人材不足、業務の効率化などは多くの企業が共通して抱えているため、予測しやすい問題です。あるいは、電話口などで相手に単刀直入に尋ねるのもよいでしょう。具体的な悩みが聞ければ、提案もしやすくなります。
顧客の悩みを解決する手法として自社商材を紹介
顧客の悩みが把握できたら、次はその解決手段として自社の商品・サービス導入を提案しましょう。
顧客が必要とするのは、商品・サービス自体ではなく、導入によって得られる結果です。「どのように顧客の悩みが解消できるか」「導入後はどのような変化があるか」など、まずは顧客が明るい未来をイメージできるようにしましょう。商品・サービスの特徴や価格などを話すのはそのあとです。
特に法人営業では、強引な売り込みは通用しません。顧客の目線で、有益な提案を心がけることでアポイント獲得率もグッと上がります。
【手法・段階別】法人営業でのアポ取り成功のコツ
次に手法別のアポ取りのコツを見ていきましょう。アポイントを獲得するには、主に「飛び込み営業」「テレアポ営業」「メール営業」の3つの方法があります。
さらに各手法をプロセスで分解すると、それぞれの工程でアポ取りを成功させるためのポイントがあることがわかるでしょう。ここでは3つのアポ取りの手法を、プロセスごとに解説していきます。
飛び込み営業でのアポ取りを成功させるコツ
昔ながらの手法である飛び込み営業。人的リソースを多く割かなくてはならないため、効率を重視する現在では積極的に取り組んではいない企業も多いかもしれません。移動時間や手間をかけて、1件のアポイントも獲得できないダメージは大きいでしょう。
しかし、飛び込み営業もコツを押さえればアポイントの獲得率が上がります。ここでは「訪問前」「訪問中」「訪問後」のコツを紹介します。
訪問前のコツ
飛び込み営業を始めるときは、まず身だしなみをチェックしましょう。飛び込み営業は、商品・サービスより前に営業担当者を印象付ける手法です。信頼を得られるように第一印象を大切にしましょう。
さらに、忙しい顧客に限られた時間で必要なことを伝えるには、訪問前に会話の流れを組み立てておくことも重要です。あらかじめトークスクリプトを用意しておきましょう。業界の新情報など、顧客の注意を引く話題もいくつか仕入れておくと、初対面の会話でも弾みがつきます。
飛び込み営業は手間と労力のかかる手法です。そのため、電話営業やメール営業よりもアポイントの獲得率を上げる必要があります。確実にアポイントを獲得できるよう、訪問先の企業はある程度狙いを定め、下調べしておきましょう。
訪問中のコツ
訪問のときには、礼儀正しい振舞いが大切です。法人営業は、相手企業との信頼関係を築くことがポイントになります。訪問した時点でニーズがなくても、良い関係を築いてニーズが発生したときに連絡をもらえるようにしておかなくてはなりません。
訪問する時間帯は、できる限り相手に余裕がありそうな時間を選びます。アポイントを取らずに訪問しているため、相手の時間を無駄にしないよう配慮し、忙しそうなときにはすぐ引き下がりましょう。一度断られても、何度も足を運ぶうちに信頼が得られるケースもあります。
飛び込み営業では、面と向かって冷たく拒絶されることもありますが、落ち込む必要はありません。むしろ名刺交換やアポイントの獲得を、ゲーム感覚で楽しみましょう。
訪問後のコツ
飛び込み営業は、訪問後のフォローも忘れないようにしましょう。突然の訪問で時間をもらったことに感謝し、名刺交換で得た連絡先にお礼のメッセージを送るのが基本です。他の企業に差をつけるため、手書きのお礼状を送る営業パーソンもいます。お礼メッセージでは感謝だけを伝え、決して商品の売り込みをしないのがポイントです。
また訪問後は振り返りも大切。アポイントが取れた件数を確認し、獲得率が悪いときには改善点を検討しましょう。
テレアポ営業でのアポ取りを成功させるコツ
テレアポ営業は、アポ取りの一般的な手法として知られています。飛び込み営業より労力をかけずに多くの企業にアプローチでき、メール営業とは違って会話から相手の状況を探れるのがメリットです。
ここではテレアポ営業の「準備段階」「テレアポ営業中」「テレアポ営業後」の3つの段階別に、アポ取りを成功させるためのコツを紹介します。
準備段階のコツ
テレアポにも準備が必要です。まずは、ニーズが見込まれる企業をピックアップした適切な営業リストの作成。さらにそのリストの企業を業界や企業規模などでグループ分けし、それぞれに適したトークスクリプトを用意しましょう。
企業によっては営業電話を一切受け付けていない場合も多いため、テレアポ営業では断られることに慣れておかなくてはなりません。ただし、今後も電話をかけられる関係性を築いておくために、断られた際のトークスクリプトも用意しておき、担当者の名前を聞いたり連絡のつきやすい時間帯などを確認するようにしましょう。
アプローチをかける企業について、事前に下調べすることも大切です。飛び込み営業よりも件数をこなさなくてはならないので、一つひとつの企業について勉強するのは大変かもしれません。業界ごとや地域ごとにリサーチして、相手の課題を予測しましょう。
テレアポ営業中のコツ
テレアポ営業の際は、話し方に気をつけましょう。特に法人営業の場合、明るく元気に話しつつも、あくまでビジネスシーンに適した落ち着いた口調を意識することが大切です。
もう一つ重要なのは、電話をかけるタイミング。相手が忙しい時間帯にかけると、ゆっくり話す暇がありませんし、悪い印象を与える恐れがあります。業界ごとにそれぞれ比較的余裕のある時間帯をリサーチし、リストを業界でグループ分けして、計画的に電話をかけていきましょう。
テレアポ営業は断られることが前提の心持ちで、次につなげることも大切です。最後まで丁寧な対応で、今後も連絡しやすい関係性を築いておきましょう。
テレアポ営業後のコツ
テレアポ営業も、終わったあとの振り返りが重要です。テレアポ営業は回数を重ねるごとに、トークスクリプトをブラッシュアップしていかなくてはなりません。顧客の反応を見ながら無駄を省き、より相手が興味を示しやすいトークを膨らませていくよう工夫を重ねましょう。
アポイントが取得できた場合は、訪問前に確認の連絡を行うなどの配慮があると、お相手への気遣いとなると同時に、自身の時間を有効に活用することになるので、是非実践してみてください。
電話口で断られても、落ち込む必要はありません。大切なのは、次のテレアポ営業で活かせるよう反省点を見直して改善を図ることです。チームで振り返りを行い、アポイント獲得率の高いメンバーのトークを共有するのもよいでしょう。
メール営業でのアポ取りを成功させるコツ
アポ取りの方法として、メールでのアプローチも可能です。メール営業は、飛び込みや電話営業よりも時間や労力がかからず、一度に膨大な企業にアプローチできるのも魅力でしょう。
ここでは、メール営業でアポ取りを成功させるための5つのコツを紹介します。
- 読まれやすいタイミングを見計らう
- 思わず開封したくなる件名にする
- 顧客にとってのメリット・新情報を提示する
- 顧客が次に取るべき行動を明確化する
- 簡潔にわかりやすい表現にする
それぞれのポイントを順を追って解説します。
1.読まれやすいタイミングを見計らう
営業メールは、送信のタイミングが大切です。相手の目に留まりやすいよう、狙いを定めて送る必要があります。
企業の担当者の元には、毎日大量のビジネスメールが届きます。そのため営業メールは埋もれてしまうことがほとんどです。少しでも開封の確率を上げるためには、先方の始業開始直後などメールチェックをしやすい時間帯に、受信ボックスの上位に表示されるようにするなど工夫しなくてはなりません。
また初めて相手と接点を持つ際には、マナーも大切です。現在は、プライベートでも手元に仕事用のスマホを置いている人も多いので、送信は相手にストレスを与えないよう、営業日や就業時間内を意識して送信しましょう。
2.思わず開封したくなる件名にする
タイミングを見計らって送っても、営業メールのほとんどは開封もされないのが実状です。そのなかで担当者の注意を惹きつけ開封してもらえるのは、タイトルにインパクトがあるメールです。担当者が思わず開封したくなるような、魅力的な表現を心がけましょう。
ポイントは「半年で売上20%UP!」「即戦力のエンジニアと1日でマッチング!」など、具体的な表現を意識することです。メール営業をかけてレスポンスが悪かった場合は、タイトルの表現を変えて再度検証してもよいでしょう。
3.顧客にとってのメリット・新情報を提示する
メールを開いてもらったあとは、本文で顧客が得るメリットを提示しなくてはなりません。まず予測される顧客の悩みに寄り添い、次に商品・サービスによってその悩みが解消できて、より良い未来が開けることを示します。あくまで顧客にとってどのようなメリットがあるのかという視点での記載が大切です。
メール本文まで見てもらえたとき、商品・サービスを売り込むチャンスだと思って性能や安さを全面に押し出すケースがあります。しかし、ほとんどの顧客は商品・サービス自体に興味はありません。押し売りのように感じられる文章は避けましょう。
また、顧客を強く惹きつけるためには、何か目新しい情報を盛り込むのも効果的です。冒頭で記載して、続きを読みたいと思わせるようにしましょう。
4.顧客が次に取るべき行動を明確化する
メール営業でアポイントを取るには、顧客を問い合わせに誘導することが重要です。メールを読んで商品・サービスに興味を抱いても、次にどうすればよいのかがわからないと顧客はすぐ別のことに意識を向けてしまいます。
顧客が「問い合わせのことは、あとで考えよう」と思っても、時間が経てばメールを読んだときの意欲は薄れていくもの。そのため、顧客の意欲が高まったタイミングを逃さずにアクションを促すことが大切です。
営業メールには、問い合わせ先を明記しておきます。より顧客の手間を減らして確実なアクションにつなげるには、問い合わせフォームのURLを記載しておくとよいでしょう。
5.簡潔にわかりやすい表現にする
メール営業のコツとして、簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。営業メールは、開封まで誘導できても、本文は流し読みされることがほとんどです。業務時間内に、営業メールを隅まで丁寧に読む暇はありません。そのため、要点がわかりにくい文章は読み手にストレスを与え、すぐにメールを閉じられてしまう可能性が高くなります。
流し読みでも内容が理解しやすいようにするには、本文をPREP法で構成するとよいでしょう。「結論」「理由」「具体例」「結論」の順で記載するため、読み手の頭に入りやすい冒頭と結論部分で、一番伝えたいメリットをアピールできます。一つひとつの文章も、できるだけ端的にまとめて読みやすくするのがポイントです。
まとめ
法人営業におけるアポ取りのコツは、顧客の課題を的確に見抜き解決策として自社の商品・サービスを提示することです。順序が逆になると、相手は押し売りをされている印象を受け、信頼関係を築くことが難しくなります。
またテレアポ営業やメール営業は、精度の高いリストを用意して件数をこなすことも大切です。作業を自動化できる営業ツールがあれば、アポ取りの効率は大きくUPするでしょう。
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